2017/02/20 ネガワット取引 原発1基分 NTTや大ガス参入

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【新電力ニュース】2017/02/20 ネガワット取引 原発1基分 NTTや大ガス参入
 猛暑など電力需要のピーク時に節電に協力する企業をあらかじめ募り、需要を抑え込む仕組みが動き出す。大手電力は2017年度に原子力発電所1基分の協力を求める。NTTと大阪ガスは電力を使う企業との間を仲介する事業に参入する。大手電力は協力への報奨金を支払う一方、ピークに備えた設備投資を減らせる。安価な電力の安定供給をめざす電力システム改革の一環。政府は30年度までにピーク需要の6%抑制をめざす。

新たに動き出すのは、節電協力を約束した企業や家庭に見返りのお金を支払う「ネガワット取引」と呼ぶ仕組み。米国や英国で普及し、日本でも経済産業省が節電量の算定方法などを示した取引の指針を作成した。

 17年度には東京電力ホールディングス(HD)系と関西電力、中部電力、九州電力の4社が原発1基分に当たる合計約96万キロワット分の取引に乗り出す。NTTと大ガスは大手電力と企業を結ぶ仲介事業に参入。手続きが煩雑で大手電力では対応しきれないため、仲介事業者が取引拡大のけん引役となる見通しだ。

 NTTではビルや工場に空調、照明などを納入する子会社のNTTファシリティーズが業務を担う。空調などを遠隔制御するシステムで、大手電力からの節電要請時に稼働を抑制。ビルなどを持つ企業は実際の要請がない場合も、準備の見返りに報奨金を受け取れる。

 大ガスは17年度に自社とグループ会社を含む関西圏の複数の工場から、数千キロワット規模の節電協力を募る。節電要請があった場合、各工場に対し、ガスを燃料に使うコージェネレーション(熱電併給)設備の発電量を増やすように要請。電力会社からの電力購入量を減らしてもらう。

 報奨金は節電規模などで異なるが、大手電力は仲介事業者に1キロワットあたり年3千~5千円を支払い、そこから協力企業に配分される見通しだ。金額は入札などで決め、市場原理を通じて電力需要を抑える。

 政府は30年度までにピーク時の電力需要の6%をネガワット取引で抑制する方針。ピーク時の需要は1千万キロワット程度減り、発電所の更新や新設、管理のコスト削減効果は最大で年約900億円となる見込みだ。原発なら10基分が不要になる。

 経産省は16年4月に電力小売りを全面自由化したが、新電力などに切り替えた世帯は5%程度にとどまる。自由化の恩恵が消費者に広く行き渡るようにするための電力システム改革を続ける。

 20年には大手電力の発電部門と送配電部門を分ける発送電分離を予定。新規事業者が送配電網を使いやすくし、電力料金の競争を促進する。ネガワット取引も電力会社の投資負担を長期的に減らし、電力料金の低下につながるとみている。