2017/04/04 東燃ゼネラル石油 千葉の石炭火力断念 

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【新電力ニュース】2017/04/04 東燃ゼネラル石油 千葉の石炭火力断念 
 関西電力と東燃ゼネラル石油は、千葉県市原市で計画していた石炭火力発電所の建設を取りやめると発表した。関電は首都圏での電力販売事業の重要な供給拠点と位置づけていたが、東燃ゼネが事業採算が取れないと判断し、関電に事業化の取りやめを申し入れた。二酸化炭素(CO2)排出抑制を目指す環境省の反対も影響したとみられる。

 2015年8月時点での計画では、東燃ゼネの製油所の敷地内に発電所を建設し、24年の運転開始を目指していた。投資額は約3000億円とみられていた。現在は環境影響評価(環境アセスメント)の調査の段階で、関電はいまも「事業性があると判断している」と説明する。

 関電、東燃ゼネとも同施設を、16年4月の電力小売り自由化で首都圏市場を攻略する上での重要な電源とみていた。

 東燃ゼネは昨年4月に家庭向け電力小売事業に参入。ただ、価格競争の激化や新電力への移行が低調なことなどから、今回の事業は収益性が見込みづらいと判断した。

 4月に控えたJXホールディングス(HD)との経営統合も東燃ゼネの判断に影響した。JXHDも電力小売事業に参入しており、川崎市内などにある大型火力発電所の能力増強を進めている。JXHDは将来的に発電能力を400万キロワット規模へ拡大することを目指しており、東燃ゼネは千葉の石炭火力がなくとも当面は電源を確保できる見通しが立った。

 東燃ゼネは「発電から小売りまで手掛ける事業モデルは変わらない」としており、静岡県や北海道で計画する液化天然ガス(LNG)やバイオマス(植物資源)発電所は事業化を進める構えだ。

 一方の関電は、千葉県市原市に自前のガス火力発電所を持っている。秋田市でも丸紅と総出力約130万キロワットの石炭火力発電所の建設を予定するなど、今後も独自電源の開発を進めていく方針だ。

 千葉の石炭火力発電所の計画を巡っては15年11月に、丸川珠代環境相(当時)がCO2の排出量拡大を懸念して「是認することはできない」との意見を表明していた。

 大手電力は11年の東日本大震災以後、原子力発電所の再稼働が遅れ、火力発電への依存度が高まっていた。15年度はLNGが44%、石炭が32%を占めていた。既存の発電所の老朽化が進むなか、発電事業者は全国でLNGや石炭を使った大型火力発電所の新設計画を進めている。

 一方、国内ではパリ協定の発効後、CO2の排出規制への機運も高まっていた。今月10日には山本公一環境相が閣議後の記者会見で、中国電力やJFEスチールなどが進める「蘇我火力発電所」(千葉市)について、事業の再検討を求める意見書を経済産業相に提出したことを明らかにした。

 全国では石炭火力発電所を新設する計画が数多くあり、政府の動向が今後の事業計画に影響を及ぼす可能性がある。