2017/05/26 アップル向け部品製造の電力「100%再エネ」へ  日本経済新聞

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【新電力ニュース】2017/05/26 アップル向け部品製造の電力「100%再エネ」へ  日本経済新聞
 「イビデンは、当社向けの部品製造に要する電力を100%、再生可能エネルギー(再エネ)にすると約束してくれた最初の日本企業だ」。米アップルは、このような発表をした。


アップルは、自社の事業向け電力需要の100%を再エネで賄う目標を掲げている。加えてサプライチェーンでの再エネ活用を促進する「サプライヤークリーンエネルギープログラム」を展開し、世界の取引先に働きかけている。

 イビデンはiPhoneの動作に不可欠な部品をアップルに供給している。加えて同社グループ全体で現在、4万kW弱の再エネ発電設備を運用中だ。

 同社は大正時代に水力発電事業で創業した。今も合計出力2万7900kWの水力発電所を3カ所運営する他、2つの建屋屋上に合計647kWの太陽光発電を設置し、社内の電力需要を賄っている。

グループ会社のイビデンエンジニアリングは、グループの建屋屋上や敷地、借地で合計19カ所、1万1000kWの太陽光発電設備を運用している。2017年7月には1000kW規模の太陽光発電所が新たに運転を始める。これらの発電量はアップル向け部品製造の電力需要を上回る。今後も太陽光や小水力発電への投資を検討する考えだ。

 3カ所の水力と、イビデンエンジニアリングが運営する20カ所の太陽光発電所は、固定価格買い取り制度(FIT)の認定を受けて発電量の全量を新電力に売っている。イビデンの高木隆行専務執行役員は、「アップルからの受注に対する生産に、イビデンエンジニアリングの太陽光発電所の電力を振り分けられる体制を2018年3月までに整える」と話す。

 アップルのリサ・ジャクソン副社長は、「イビデンが、再エネへの投資が環境や事業に好影響をもたらすと認識していることを誇りに思う」とコメントしている。アップルは、イビデンによる積極的な再エネへの投資を評価したとみられる。


■取引先に再エネ活用を促す動き
 アップルは、再エネ100%への切り替えを目指すグローバル大手企業のグループ「RE100」に参加している。RE100を運営する英国NGO(非政府組織)、クライメートグループのジェニー・チュー氏は「アップルとイビデンのように、企業がサプライチェーンの取引先に再エネ活用を促す動きが広がっている」と説明する。

 例えば米プロクター・アンド・ギャンブルの要請によってスイス容器大手テトラパックが再エネの活用に乗り出した。欧米企業のサプライチェーンに製品を供給する日本企業にも、同様の要請が広がる可能性がある。

 チュー氏によればRE100には独BMWなど欧州51社、米グーグルなど北米32社、中国とインドの5社が参加している。参加企業は、電力会社による再エネのみの安価な電力小売りメニューや、再エネ発電事業者との相対契約で電力を購入する他、「再エネ証書(REC)」を活用している。1kWh分の再エネ証書を購入すると、火力発電の電気しか使っていなくても1kWh分の再エネ電力を使ったと見なされる仕組みだ。

 チュー氏は「日本企業も積極的に再エネの活用を進めてほしい」と話す。とはいえ日本の製造業は、事業所内に太陽光パネルを設置するケースが多い。これでは初期投資が大きい割に発電量はさほど大きくない。


■日本でも増える選択肢
 そんな中、変化の兆しが見え始めた。東京電力エナジーパートナーは2017年3月2日、法人向けに水力発電の電力だけを売る日本初の料金プランを発表した。東電グループのFIT電源や揚水を除く154カ所、出力約217万kWの水力設備を生かすCO2(二酸化炭素)排出ゼロの電力だ。三菱地所とソニーが最初の顧客となる。