2018/02/14 新電力シェアは20%突破へ、2025年度の市場予測

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【新電力ニュース】2018/02/14 新電力シェアは20%突破へ、2025年度の市場予測
調査会社の富士経済はこのほど、全面自由化が進んだ電力・ガス市場における新規参入企業の事業実績を集計・分析し、現状と将来動向をまとめた。新電力の電力販売量のシェアは、2025年度に全体の20%を占めると予測している。

 電力の小売り自由化は2000年度から特別高圧、2005年度から高圧と段階的に進み、2016年度に低圧が自由化されたことで、全面自由化が実現した。小売電気事業者の登録数は450件を超え、ガス、通信、小売、商社、住宅、鉄道、自治体、協同組合など、さまざまな業種の事業者が既存エネルギー事業者との連携などにより市場に参入している。

 全面自由化初年度の2016年度は、低圧での新規獲得などにより、新電力販売電力量は前年度比65.1%増の664.0億kWhとなった。国内販売電力量に占める新電力の割合は7.8%となり、前年度から3ポイント上昇している。分野別には、新たに自由化された低圧では2.6%、既に自由化が進んでいた高圧では14.6%、特別高圧では5.9%の需要を新電力が獲得しており、特に高圧がのびている。

 2017年度は、前年度比27.8%増の848.7億kWhが見込まれ、国内販売電力量に占める新電力の割合は12%を超えるとみられる。

 分野別にみると、特別高圧では旧一般電気事業者による大口需要家の取り返しや、新電力に対抗した安価な料金の提示などによる既存顧客の確保に注力していることから新電力が苦戦している。高圧は全面自由化に伴う認知度向上により、これまで電力会社の切り替えに関心のなかった小口需要家による切り替えが進んでおり、業務施設を中心に伸びが著しい。低圧では旧一般ガス事業者や通信事業者を中心に既存事業を生かした家庭向け顧客の囲い込みや業務施設を中心とした新規獲得が進んでいる。2017年度上半期は前年度同期比で4倍以上の販売電力量を記録し、特別高圧と同規模まで需要が拡大している。

 なお、エリア別には東名阪が8割程度(件数ベース)となっているものの、ほかのエリアでの需要獲得が進んでおり、3エリアの構成比は減少しつつある。


新電力シェアは、2025年度に20%へ


 将来動向をみると2025年度は、2016年度比2.3倍の1547.0億kWhが予測される。これは2016年度の国内販売電力量(8482.4億kWh)の18%に相当する。なお、国内電力販売量は人口の減少や省エネ機器・サービスの普及により今後も減少するとみられ、2025年度には新電力のシェアが20%を超えると予想される。

新電力の参入動向をみると、旧一般電気事業者グループ子会社を新電力として、もしくは参入エリアの旧一般ガス事業者と提携して域外参入するケースが多い。特に電力需要家が多い関東エリアへの参入が多く、低圧では沖縄電力以外の旧一般電気事業者が同エリアに参入している。また将来的な顧客獲得拡大に向けた域外での大規模電源開発を進める事業者も目立つ。

 旧一般ガス事業者は、自社供給エリアの顧客への電力とガスのセット売りが基本であり、自社供給エリアを越えた展開は想定していない事業者が多い。そのため、周囲の旧一般ガス事業者やLPガス事業者と提携する動きは一部にとどまる。ガス自由化に対する顧客の囲い込みという側面もあり、今後も積極的な営業提案が続くとみられる。

 LPガス・石油製品販売事業者は自社グループの家庭用LPガス顧客をターゲットに、LPガス販売店網やガソリンスタンド網を活用して展開している。また、新電力の代理店となる事業者も多い。

 地方自治体は民間企業との共同出資によって地域新電力を設立する事例が増えている。既存の新電力が設立や運営を支援していることが多数で、伊藤忠エネクス、F-Power、NTTファシリティーズ、パシフィックパワーなどが挙げられる。事業スキームとしては太陽光発電を中心に廃棄物発電、小水力発電など近隣のFIT電力を調達し、公共施設向けに供給するケースが多いが、近年では家庭向けを展開する地域新電力も増えてきている。

 生活協同組合では、脱原発やエネルギー自給、CO2削減などの理念の下に再生可能エネルギー電力の普及と地産池消の推進を目的に、地域の生活協同組合が設立母体となり、グループ内で建設した太陽光や風力、バイオマスなどのFIT電力をグループ施設に供給するスキームが一般的のようだ。また、組合員への提供サービスの一環として電力小売りも行われている。電源規模は数千~数万kW程度であるため、電力調達や需給管理を委託する事業者も多い。

 ガス自由化市場についてみると、ガスの小売自由化は1995年3月より段階的に対象範囲が拡大され、2017年4月に年間契約数量10万立方メートル未満の需要家へのガス小売が自由化されたことで、全面自由化が実現した。なお、都市ガスのパイプラインは首都圏に集中していることから、東名阪などで競争が激化している。

 家庭向けでの新規参入は旧一般電気事業者やLPガス事業者、一部の旧一般ガス事業者による越境参入などがみられるが、エネルギー事業者が中心だ。家庭向けへの供給を行う・予定するガス小売事業者は15社程度にとどまっており、電力のような異業種からの参入の動きは鈍い。

 旧一般電気事業者は2016年度の電力小売全面自由化により、ガス、石油をはじめとする異業種からの新規参入事業者に奪われた需要家を取り返すという意味でも積極的に顧客獲得を進めている。ガス小売事業者であるLPガス事業者などへの卸売り、異業種事業者との代理販売契約など多角的なアプローチを進めている。

 LPガス事業者はLPガス事業の継続という意向があるものの、長期的な人口減少により新規顧客の増加が期待しにくいことや、顧客の都市ガスや電化など他熱源へのシフトによる喪失を防ぐといった面から、参入する事業者が多い。異業種からの参入については、ガス小売事業者としてではなく、代理販売、取り次ぎ販売などで参入するケースもみられる。

出典:富士経済