2018/03/28 電力先物市場 課題に対する政府方針

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新電力ニュース

【新電力ニュース】2018/03/28 電力先物市場 課題に対する政府方針
経済産業省は、3月23日の「電力先物市場の在り方に関する検討会(第4回)」で、電力先物市場の創設に向けた今後の方向性についてまとめた報告書(案)を提示した。

この報告書(案)では、同検討会の議論を踏まえ、電力先物市場の創設の意義、取引対象者や不公正取引への対応、クリアリング体制のあり方などについて示している。


電力先物市場の課題が明確に

2016年4月に電力の小売全面自由化が始まり、いま喫緊の課題は、小売電気事業者にとって重要な電力の調達源である卸電力市場のさらなる活性化だ。また、2020年4月以降には低圧需要家向けの小売料金規制の撤廃が可能になる。

こうした中、公正・透明な価格指標の形成や卸電力価格の変動リスクのヘッジなどに有効な電力先物市場を創設し、取引参加者がより多様な価格ヘッジの機会を受けられる環境を整備していくことが重要だと考えられている。

現在、価格ヘッジは、相対契約によるデリバティブ取引(OTCデリバティブ取引)や卸電力取引所(JEPX)に設置されている先渡市場(この市場では現物の取引が行われている)で実施されている。

今後、これらに加え、電力先物市場を創設することは、将来の電力価格をあらかじめ確定し、電力価格の変動リスクを回避する手段となる。電力先物市場を通じて、将来の電力価格が発信されることで、小売電気事業者などは、今後の事業活動の見通しが立ちやすくなる効果も期待される。

同検討会では、電力先物市場が必要という関係者の認識共有がなされた一方で、公正な取引環境の確保などの観点から、さらに検討すべき課題も明確となったと指摘する。

たとえば、取引対象者については、個人投資家は参加しないプロ向けの市場とするのかといった点については、今後、早急に商品取引所と電気事業者などとの間で十分な議論をすべきだとしている。また、不公正取引の防止や市場監視のあり方について、主務省や商品取引所においてどのような対応をとることができるのか検討を重ねていく必要があるとした。


不公正取引の対策は2つ

他にも、事業者による過度な投機的取引が行われると、不適切な価格が形成されるおそれがある。その場合、電気事業者の設備投資などの予見性が損なわれるため、商品取引所におけるこれまでの実績や海外のデリバティブ規制などの事例を参考に検討を進め、必要に応じ具体的な措置を講じなければならない。報告書(案)では、この対策として建玉制限とサーキット・ブレーカーを挙げている。

これらは、相場操縦対策としても有効な手段だが、円滑な市場取引を阻害することのないよう、海外の例も参考にしつつ、ボラティリティ(価格変動率の大きさを)や取引規模に応じた適切な制限幅とするなどの対応が必要だとした。


創設したばかりの頃に参入するとインセンティブが!

一般的に、どの先物市場においても、創設当初は取引参加者数や取引量は必ずしも多くはない。そこで報告書(案)では、日本における電力先物市場についても、創設当初に一定程度の流動性を確保するため、特定の者に対して一定のインセンティブを付与することによって取引を行ってもらう「マーケット・メイカー制度」を、条件や役割などを整理しつつ導入を検討すべきだとしている。


クリアリング体制の確保

電力先物取引を行うことが見込まれる事業者は、旧一般電気事業者や新電力など、その事業規模も様々である。このため、電力先物取引の信用リスクを遮断し、取引参加者による債務不履行の影響が他の参加者に及ぶことを防止するのが「クリアリングハウス」だ。

クリアリングハウスは、先物取引における信用リスクを確実に遮断できるよう、十分な違約対策財源を有するとともに、清算参加者(クリアリングメンバー)についても一定の財務基盤などの要件が設定されている。

そこで、こうした要件などを満たした、健全で信用力の高いクリアリング体制を確保すべきだとした。