2019/09/09 電気料金 格差最大2割に 原発再稼働が影響 送電線の容量不足も背景

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【新電力ニュース】2019/09/09 電気料金 格差最大2割に 原発再稼働が影響 送電線の容量不足も背景
2016年4月に全面自由化された電気料金の「東高西低」が鮮明になっている。政府統計をもとに分析したところ、最も高い北海道と、安い関西・九州の差は約2割あることが分かった。発電コストが低いとされる原子力発電所が稼働する西日本で安い。地域を結ぶ送電線の容量が限られ、融通しにくいことも背景にある。価格差が定着すれば企業行動などに影響する可能性もある。

家庭向けの電気料金の単価は19年4月に北海道が1キロワット時あたり25.6円と、九州の同20.4円と比べ25%高かった。

家庭向け1100円差


電力会社の業界団体によると、19年4月の北海道電力の家庭向け電気料金は標準的なモデル(月230キロワット時)で7655円。九州電力は6533円(月250キロワット時)で、約1100円違う。16年4月当時の両社の差は約700円だった。

工場などで使われる企業向けの「高圧」分野の電気の単価は16年4月に北海道が関西よりも0.6%安かった。ただ、19年4月時点では北海道の単価は1キロワット時あたり18.9円で、関西(15.6円)や九州(15.7円)に比べて約2割高くなった。

価格差が生じる大きな理由が、電力各社の電源構成の違いだ。原発が稼働しているのは関西電力、九州電力、四国電力で、東日本ではいまだゼロだ。関電、九電は再稼働後に値下げもした。一般的に発電コストは高い順番に石油、液化天然ガス(LNG)、石炭、原発とされる。北電は発電に占める石炭、石油火力の比率が過半だ。

ただ、足元で原発が低コスト要因となるのは既設のものであるためだ。米投資銀行ラザードのまとめでは、新たに発電所をつくる場合には、太陽光や陸上風力の発電コストは既に石炭や原発を下回っている。日本も東京電力ホールディングスの福島第1原発の事故後、規制が厳しくなり、安全対策費用が膨らんでいる。欧州でも新設が進むのは洋上風力発電など再生可能エネルギーだ。

電気料金の地域格差が縮小しない一因に、地域を越えて電気を送る「連系線」と呼ばれる送電線の空き容量不足を指摘する声もある。例えば北海道と本州を結ぶ連系線は3月に増強したが、まだ不十分との見方がある。新電力大手の幹部は「調達に懸念があり、いくら販売価格が高いからといって北海道に営業攻勢をかけにくい」と明かす。

高止まりの構図


電気は大手電力の送電線網が分かれていることから9地域に分けて市場取引されている。電気を卸す北電の発電コストが高いことなどから、地域ごとの価格でも北海道が最高値で、足元では西日本より約6割高い。発電所を持たない新電力は市場から電気を調達して顧客に売るため、価格競争は生まれにくく、北海道の電気の価格が高止まりしやすくなっている。

「まさか」。北海道のある金属部品メーカーの幹部は18年11月末に絶句した。このメーカーは電気の費用が10%弱下がるとして、2年前に北電から新電力に切り替えたが、この新電力が北海道からの撤退を伝えてきたためだ。北電からの切り替えで安くなる相場は3~5%で、この新電力は魅力的だった。新電力が攻めにくい状況では価格競争が起こりづらくなることも考えられる。


出典:日本経済新聞